Kファイル/スポーツドクトリンNO.313:特別編 さらば長嶋ジャイアンツ
Kファイル/スポーツドクトリンNO.313:特別編 さらば長嶋ジャイアンツ
無断転載禁止 2025年6月19日 木曜日
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ご紹介:1994年11月撮影。
10月8日の対中日ドラゴンズとの最終決戦を終えセリーグ優勝、そして日本シリーズでは西武ライオンズ(森祇晶監督)を撃破、長嶋ジャイアンツは、初の日本シリーズに勝利しました。
これを称してメイクミラクルと今日も語り継がれています。本写真は、日本シリーズ終了後、全ての公私の行事も終わりホッとした一時でした。この写真は、確か長女の長嶋有希さんが撮って下さったと思います。長嶋監督はもとより陰で支えて参られた亜希子夫人が本当に心より喜ばれていた様子が昨日のように思い出しましたので読者の皆様にご紹介させて頂きます。
ご縁あって、長嶋ジャイアンツのお手伝いをさせて頂きありがとうございました。ご冥福を心よりお祈りいたします。
河田弘道
2025年6月19日 木曜日 公開
Kファイル/スポーツドクトリンNO.313:特別編 さらば長嶋ジャイアンツ
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河田弘道
スポーツ・アドミニストレイタ-
スポーツ・アドミニストレイションの基軸は“Justice正義&Fairness公正
日本にスポーツ・アドミニストレイション論の必要性を紹介
日米で実践してきたスポーツ・アドミニストレイターの先駆者
(プロフィールは別途ご検索下さい)
お別れのご挨拶
長嶋劇場は、長嶋茂雄氏自らの手で開演され天の神様に導かれてこの度6月3日、午前6時39分に終演なされました。
日本野球界に燦燦と輝いた長嶋茂雄選手、監督に心よりお疲れ様でしたと申し上げます。これからは、亜希子夫人の生前のご苦労をねぎらわれてください。そしてご家族の皆様の御多幸と平和を祈念致します。
北海道から沖縄までの長嶋ファンの為に僕は、生涯東京読売巨人軍に居たいのです。「河田さん分かって下さい」との正直な本音を小職に懇願されたあの日の言葉は、強く私の脳裏に刻み込まれています。そしてその願いを最後まで監督は貫徹されました。
監督の苦しかった第一次監督時代の理不尽な解任事件、第二次長嶋全権監督時代の殺伐とした人間関係、人の心の醜さを実体験され学ばれその全てを胸に収めて参られました。
小職は、その事実を共に味わい、自身の職責と責務を肝に銘じ誠心誠意、降りかかる火の粉を振り払いながら、その奥に潜む権力に正面から立ち向った次第でした。メイクミラクル、ドラマは、このような内政に先ず勝利しなければ勝ち取れませんでしたことを監督は十二分にご理解されていましたが、ご自分では何ともしがたい部分であったようです。
あの長嶋スマイルは、陰湿極まりない組織・グループに内在するアンチ長嶋派の人達の利得と利権争いに耐え抜かれた結晶であります。その心の痛みと傷は、小生もいつまでも共有させて頂いております。
1997年9月18日の水上健也読売新聞社会長、渡辺恒雄社長・オーナーとの紀尾井町での昼食会に於いて、監督は、当日の朝小職との信義、奥様との信義をも反故にされました。他界で奥様にお会いされた際には、本件の心変わりを是非誠実にご説明されお詫びをなされてください。あれは、人として決してやってはならない事でした。
最期までご自身の為に長嶋茂雄は、永遠に不滅との信念を貫かれました。そこには、長嶋劇場を演じるための主役の覚悟と演技力が必要でした。長嶋さん、もう誰からの視線もありませんので演技は必要でありません。どうか奥様のもとにお戻りください。そこが一番監督の帰る場所なのです。
小職は、監督の懐に入れて頂き憧れの長嶋茂雄選手の史実の一旦を見届けさせていただきました。退任後2年間監督から復帰の要請を何度も青山のウラクで頂きましたが、私の心は動きませんでした。その根拠は、監督に申し上げました通り男の信義はそんな軽薄軽率なものであってはならないということを申し上げたかった次第です。長嶋茂雄監督と一心同体でメイクミラクル、そしてドラマを完成させて頂けたことに心より感謝いたしております。 深謝
河田弘道
元東京読売巨人軍
常務取締役編成統括兼監督 補佐
●1992年11月要請あり、1993年準備期間とする、1994年2月契約、1997年
12月契約満了を持って退任、退団。
文責:河田弘道
スポーツ・アドミニストレイター
スポーツ特使(Emissary of the Sports)
紹介:G-File「長嶋茂雄と黒衣の参謀」発行 文藝春秋社 著 武田頼政
本著は、2006年10月13日発売、翌年完売の為現在はAmazonで中古オークションで入手可能。河田弘道の西武・国土計画、東京読売巨人軍での激闘の日々のドキュメントです。登場人物は、全て実名です。
Kファイル、KファイルNews Comment by Hiromichi Kawada
お知らせ:著者からの便り
この度は、長嶋茂雄氏へのお別れのご挨拶をさせて頂きました。つきましては、沢山の読者の皆様(古いジャイアンツファンを含む)から誠実で真摯な読後感を拝受いたしました事をご報告申し上げます。当時の懐かしい内外の関係者様方からのお便りには、「思いは同じであった」と感激致しました。
強烈な印象を残された渡辺恒雄氏、燦燦と輝き続けた長嶋茂雄氏が去られたことで、何か大切な遺産を置き忘れたかのような感じを覚えてなりません。
阿部慎之助監督率いる東京読売巨人軍は、今夜も伝統の一戦を甲子園で粘り強く戦っています。今ある戦力で十分勝利する力を有していますので、この秋を楽しみにしています。この猛暑の中であの甲子園のダッグアウトの隣の狭いGブースで査定係と戦況を見守っていた当時の小職を思い出します。
日米に於いては、MLBとNPB(日本プロ野球機構)の間には主従関係のような現状からか、今後の日米の野球、プロ野球の関係が対等であることを願うのは著者だけでしょうか。ここには、大きな難問題が横たわっています。
この難問題を改善、改革する為にもNPBのコミッショナーの手腕が問われます。
NPBコミッショナーは、正義と公正(Justice&Fairness)を兼ね備えたプロフェショナルなベイスボール・アドミニストレイターである事を切に願う次第です。そして、12球団のオーナーと選手会により推薦されたコミッショナーが自由に選挙で選ばれる構造とシステムに改善、改革して欲しいと願う次第です。
日本プロ野球界は、決してMLBの草刈り場にしてはなりません。NPBコミッショナーには、日本プロ野球界と野球界の発展の為に身を挺して、日本流な野球と米国流なベイスボールの良き伝統を融合した新しいプロ野球界にして頂きたくお願いします。つい60数年前までは、全国の子供達が、読売巨人軍と長嶋茂雄選手を夢見て過ごした日々が懐かしくもあります。これからは、新しい夢と希望を抱かせる日本野球界の再建を期待しています。 深謝
著者:河田弘道
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