kファイル╱スポーツドクトリンKファイルNO.302⁚日本女子体操界を強引に牽引した塚原千恵子氏の壮絶な闘いとその死

kファイル╱スポーツドクトリンKファイルNO.302⁚日本女子体操界を強引に牽引した塚原千恵子氏の壮絶な闘いとその死

無断転載禁止             毎月第二、第四木曜日 掲載


河田弘道

スポーツ・アドミニストレイタ-

スポーツ・アドミニストレイションの基軸は“Justice正義&Fairness公正

日本にスポーツ・アドミニストレイション論の必要性を紹

日米で実践してきたスポーツ・アドミニストレイターの先駆者

(プロフィールは別途ご検索下さい)

ご挨拶

筆者は、本年813日から1115日迄長い休暇を頂きました。その間4度「Kファイル特別編NO.301, 300, 299, Kファイル特別編2024年夏シリーズ」を掲載させて頂きました。読者の皆様に於かれましては、猛暑、酷暑、残暑の中如何お過ごしでしたでしょうか。小生は、外から日本国、日本のスポーツ界、教育界、政界の動向を見つめ直す機会を得た事は大変貴重な時間でした。特に202411月の米国大統領選を米国民と共に味わったのは、7回目の出来事でした。改めてスポーツ・アドミニストレイターとしての原点に立ち返り本質を呼び起こせた感じが致します。 

日々入る日本からのニュースは、訃報、事件、事故、其れにまつわる裏の実態と種々様々でした。しかし、その事実は、どれも捨て難い未来の日本のスポーツ界、教育界、政治に直接的に影響を及ぼすものばかりであったのもこの夏の貴重な出来事から得た学習でした。今夏パリ五輪で起きた日本女子体操選手の違法行為、女子柔道選手の我を忘れて泣きわめく見っともない姿も記憶に残る出来事でした。

体操界での本件に直接的に関係する国際体操連盟、日本体操協会、スポーツ庁、文科省、JOCの問題処理は、全くスポーツ・アドミニストレイションを無視した、スポーツ関係者、管理者に有るまじき「隠蔽」以外の何物でもありませんでした。これらは、まさに広義の暴力行為が、スポーツ指導者、運営、管理者達が一体となって起こした大人の都合の陰湿な行為以外の何物でもありませんでした。五輪に関わる競技スポーツ関係者達の偽らざる内面です。

しかし、当の本人、関係者、マスメディアも今日では、もう過ぎた事件、事故として誰もが忘れたが如く、語らずの実態であります。

これらは、まさに週刊誌のスキャンダル記事に匹敵する扱いであり、時間が全てを忘れ去ってくれるとの安易な思惑が透けて見えてくるのも事なかれ主義の国ならではの実態なのかも知れません。此れから起きるであろう数々の隠ぺい事件は、いつ吹き出し収拾がつかない事態となるかが現実のものに成ろうとしています。

Kファイルの見識あられます読者の皆様は、既にお気付きの事と思われます。スポーツ文化の無い我が国は、安全保障のみならずスポーツに置いても米国追従型を選択するのか、ヨーロッパか、或いは中国、北朝鮮、ロシアの思想に追従しようと試みる一部国民、体育教育関係者、経営者の皆さんに腐食されて参るのか、これらも皆様一人一人の見識、思考力と行動力に託さなければならない時期が参ったという事なのです。心配されるのは、国民一人一人に近未来に対する危機感が失せてしまっていることを改めて顧みた次第です。

米国民は、D/トランプ氏を大統領に指名しました。日本は、石破茂氏を首相に指名しました。この方々には、何をたくし何を期待するのでしょうか。米国は、明快です。強力な主権国家を構築する事です。片や日本国家は、如何でしょうか。いつまで我が国は、主権を米国に委ねて、日本国民、日本政府は、何を目する政府なのか。現状では、戦後同様に太平洋を漂流する、迷える羊の如く主権無き国家を演じ続けるつもりなのでしょうか。

kファイルスポーツドクトリンKファイルNO.302⁚

日本女子体操界を強引に牽引した塚原千恵子氏の壮絶な戦いと死

謹んで哀悼の意を表します。

 読者の皆様は、既にマスメディアを通じてご承知の事と思われます。塚原千恵子(旧姓小田千恵子)さんは、本年91日にお亡くなりになりました。千恵子さんは、日本歴代の女子体操界の指導者の中で唯一「日本女子体操界構築に強い信念を持ち全力投球した」人物であったと申し上げます。彼女の強烈な個性は、競技に勝つことでそれを証明すると自ら信じて立ち向かった体操人生であったと確信致します。強烈な個性であるがゆえに、その論理もやり方も多くの業界関係者を敵に回し、自ら敵を作る事でエネルギーとして来た事も否めませんでした。それを支えて来られた温厚で人当たりの良い塚原光男氏のご苦労は、同氏が世に発表された「月面宙返り」同様な金メダルであったと私は思う。

 本Kファイルでは、既に忘れ去られた「日本体操協会」で起きた塚原光男、千恵子氏達に対するパワハラ事件はこの程の塚原千恵子氏の命を死に追いやったまさに決定的な「トリガー」と化したのが、2018年に起こされたパワハラ事件であったと申し上げて過言でないと思わずにはいられないのです。

それらの大罪を犯したのは、まさにTVの無責任な昼番組の報道とそこに陰湿な評論家と称する人物たちを並べ、日体大体操部卒業生のOB,OG達であった事の記憶が蘇ります。その模様は、当時Kファイルで何度かに別けて述べさせて頂きましたが、今日では、もう誰もが忘れたがごとく話題にもされません。当時の方々は、その後どのような日々を送られているのでしょうか。そして、この訃報を耳にして何を思い出されたのでしょか。

日本記者クラブで弁護士を従えて、パワハラ記者会見をやってみせたのは19歳の選手でした。その後この選手コーチは、暴力沙汰で告発されたが、この選手、保護者はこの指導者の暴力を認めていたとの何とも理解しがたい方々の集まりであった事も判明致しました。同選手もコーチも、そしてこの事件を演出したであろう関係者達は、マスメディアの報道と共に消えてしまったのは何とも軽薄で無責任極まる人達でありました。

筆者は、無念の思いでご家族とお別れをされた塚原千恵子氏に対して、心よりご冥福をお祈りいたしますI pray God bless you.

 

K'sファイル、河田弘道のスポーツBLOG

2018-09-06

K’sファイルNO.65:緊急連載体操ニッポンの危機

無断転載禁止                     編集

 =緊急連載 体操ニッポンの危機=

先ず初めに

本緊急連載は、公益財団法人日本体操協会(略:JGA)に於いて、スポーツ・アドミニストレーション、及びアドミニストレイター不在により体操ニッポンが崩壊の危機に曝されているため、予定を変更して取り上げることに致しました。この出来事は、JGAの記者会見後、マスメデイアのリードによりことの次第が一方的で危険な方向にミスリードされて行って居る様相を、スポーツ・アドミニストレイターとしての視点で解説させて頂き、読者の皆様にお届けしたいと思います。

「本連載をスタートさせて頂きます前に、筆者は、冒頭に私見を述べさせていただきます事を平にお許しください。この度の複数の不祥事、事件、問題は、公益財団法人日本体操協会の会長以下、副会長諸氏、専務理事、常務理事諸氏、理事諸氏、事務局長の職務怠慢により全員にその責任があると思われます。

その理由は、長きにわたり上記関係者達は、現場での状況、実態に対して無関心を装い、誰もが担当責任者への報告、会議への報告、議論も怠り、コーチ、強化指導者、管理者への指導、注意を行わなかった、云わば組織として機能していなかった事です。本件に付きましては、本論の組織の問題で厳しく指摘させて頂きますので、悪しからず」

筆者の視点が読者の皆様の疑問に対する理解と判断の材料となりましたら幸いです。その為には、先ず初めに体操界、体操協会のバックグラウンドから簡単に述べさせて頂きます。

 第一弾:日本体操界の派閥を知る事で問題の深層を理解

1.派閥争いは競争の原理を支える必要悪か

日本体操協会(略:JGA)は伝統的な伏魔殿

公益財団法人日本体操協会(略:JGA)は1964年東京オリンピック以降、体操界は根強い大学の学閥による権力争いが絶えない代表的な競技スポーツ団体の一つで在る事を読者の皆様にご紹介致します。

権力闘争は、体操界の伝統であり日本の競技スポーツ界の縮図と申し上げて過言でありません。このような権力闘争を基盤に「体操ニッポン」の伝統が継承されて来た事も事実です。

少し歴史を紐解きますと、体操界の派閥は、大別して、二つの大学の体操競技部出身者により構成されています。当時の問題の元凶は、学問、理論により武装した東京教育大(現筑波大学)と根性論、精神論を主体とした日本体育大学という図式が読者の皆さんには理解しやすい表現かも知れません。少し上品な表現をしますと、両大学の違いは、教育、指導理念の相違が根本的な違いであるように理解致しております。丁度先月初めでしたか、本K'sファイルに於いて日大アメフト事件を連載致しました時に、関西学院大学と日本大学のアメフト指導理念、指導コンセプトの違いを述べましたが、よく似た相違であると読者の皆さんも感じられると思われます。

しかし、この異質な二つの大学の競技部から体操ニッポンの世界に通じる選手達が輩出されて来たのもまた事実です。

 一例として

東京教育大学(現筑波大学)からは、小野喬選手、小野清子選手、遠藤幸雄選手、加藤沢男選手、等々。日本体育大学(略:日体大)からは、竹本正男選手、松田(旧山下)治宏選手、塚原光男選手、監物永三選手、藤本俊選手、池田敬子選手、具志堅幸二選手、等々が代表的な選手でした。

両大学の多くの卒業生達は、基本的に体育の教員として全国の小学校(筑波大卒業生)、中学、高校、大学、等に輩出されている事も加えさせて頂きます。勿論、この2大学のみならず、独自に体操競技部を設置し素晴らしい伝統を構築され、素晴らしい代表選手を輩出している日本大学、早稲田大学、順天堂大学、国士舘大学、中京大学、東海大学、等々の存在もここに追記させて頂きます。

筑波大学の弱体に伴う日体大独り勝ち

1980年代後半から筑波大学(旧東京教育大学)体操競技部の競技力が極端に疲弊して行き「日体大対筑波大学」の伝統的な派閥構図のバランスが崩れ始め、日本体操協会内のパワーバランスが崩壊してしまったのです。筑波大学(旧東京教育大学)に代わる勢力は、日本大学(遠藤幸雄氏、早田卓二氏を中心とした)と目されていたのですが台頭しなかったことにより、今日のような不安定なパワーバランスと成り、日体大卒業生達が身内の足を引っ張り合う新たな権力闘争に突入したのです。この崩壊から、JGAの器械体操に対する指導、運営、管理体制は、偏った方向に歩み出したのも自然な成り行きだったわけです。

その大きな現象は、毎年中学、高校、また民間体操クラブで頻繁に発生する体罰と称する暴力、セクハラ行為がその証であり、その多くの指導者達は、同じ大学の教育指導、実技指導を受けて来た卒業生達である事も事実です。このような現象は、このパワーバランス崩壊後に、顕著に表面化し始めた不思議な現象の一つでもあるのです。嘗ては、日本体操協会内のパワーバランスは、東京教育大系VS日体大系に寄って程好く維持されていたとも言えるのでないでしょうか。

両大学は常に対極にあり

一人勝となった日本体育大学は、これまでに多くの代表選手、メダリストを輩出してきた為に日本体育大学に残れた教員指導者は、限られた雇用枠内の人数しかなく、それも将来を保証された人事体制ではなかったのです。

男子は、竹本正男氏を中心に、女子は池田敬子氏を中心とした体制が長きに渡り続きました。新しいメダリストが出現しても母校に残れる保証もなく、古い教員達は、段々と新しい有名選手が現れる度に居づらくなり、押し出されるわけです。このような事からOBOGで競技を継続している優秀な選手達は、競技部に付属した財団法人日体スワロークラブを設立して、OBOG達の選手登録の受皿や、社会貢献の一環としてスタートして行ったようです。強烈な個性からか人間関係における協力、調和は期待できず、財政的な破綻、等が原因となり、負の遺産と化して消滅を余儀なくされた次第です。

1970年代前半の男子体操競技部は、黄金期を迎えていた頃です。テイームには、オリンピック代表選手を4名(監物、塚原、岡村、藤本選手)要していました。

その後、竹本氏の意向で監物氏は大学に残り、塚原氏は社会人の河合楽器に就職しました。そして、塚原千恵子氏は、一時期大学に残りますが、後に朝日生命体操クラブを設立し、夫の塚原光男氏はモントリオールオリンピック大会(1976)を最後に現役引退し、朝日生命体操クラブに合流。日本体操界の復活を夢見て、特に女子体操界の低迷の復活をと今日まで多難を乗り越えて現在に至ったのだと推測します。

一方、筑波大学には、茗渓クラブが既に設置されていてOBOG会を形成。日体大とは対極で非常に卒業生の絆が固く助け合いの精神を今日も継続しているようです。

2.朝日生命の体操界、協会への貢献

塚原千恵子氏 朝日生命体操クラブ創設

このような体操界の歴史の中で、塚原夫妻が大きな力を持つに至った背景として、朝日生命の存在を抜きには語れません。朝日生命体操クラブの創設は1974年ですが、当時、民間の大手企業が、器械体操クラブを設立して、運営、管理するなど誰が想像できたでしょうか。それから今日まで約44年間。塚原夫妻を支えただけでなく、日本体操界、体操協会を物心共に支え、発展にこれ程まで、貢献、寄与した民間企業は、他に見当たらないのではないかと思われます。これは、当時の朝日生命の会長、社長、部長氏達の理解とサポート精神の賜物だったのです。

朝日生命は、塚原夫妻に全幅の信頼の下、朝日生命体操クラブの略全権を委ねられて来ました。クラブの実質的な運営、指導、管理者は、塚原千恵子氏が取り仕切り、塚原光男氏は表の看板的な存在で統括されて来られたのであろうと思われます。

スポーツ・アドミニストレーションの視点から申し上げますと、塚原千恵子氏1人でこの朝日生命体操クラブの事業と体操協会の重職(常務理事、女子強化本部長、監督)をマネージメントするには、余りにも負担が大きく、物理的にも大変無理があったのでないかと推察します。その為には、どうしても高名で温厚な性格、社会人としても認められている塚原光男氏は、塚原千恵子氏にとって大変心強い信頼できるパートナーであった思われます。

朝日生命体操クラブでの手腕

人には、皆得手不得手があるように、塚原千恵子氏は、対人関係に於けるコミュニケーション、コーディネーション、等があまり得意でなかったのかも知れません。

不得手なマネージメントは、得意なスペシャリストの人材を置き活躍して頂くとどれ程作業効率が上がり、嫌な摩擦、ストレスから回避されたかもしれません。ひょっとして、全ての経営マネージメント、指導、運営、管理をご自身でやる事に生きがいを感じていたのかも知れません。オールマイテイーとして、クラブの経営から指導、運営、管理まで全てを背負い込み、スパーウーマンとして今日までやってこられたのだと思います。

彼女に対して、ブレーキを掛ける役目のチェック機関が必要不可欠であったのかも知れません。このブレーキ役が居る事で、体操関係者達をストレスから少しは解き放せたのでないかとアドミニストレイターとして思わざるを得ない次第です。しかし、もし本人が聴く耳を持たない性格であったなら、他人は、近づかなくなりコミュニケーションに破綻をきたす最大の要因となり、一人孤立して行くのです。

朝日生命から全幅の信頼を得ているという自負もあったのかも知れません。一歩家を出ると武装していなければならない環境を自らの手で作り出してしまった部分もあるのでないかと思います。彼女の最大の得意分野は、万人が認めているように上級者の選手を指導する事であり、体操競技に関する先進指導者(ロシア、欧州、米国)のリクルート活動、判断、決断力等であったのではないでしょうか。同氏は、他の体操界の誰よりも自ら多くの知識を修得し、実践に活かそうと努力を惜しまなかっただろうと推察します。これには、朝日生命の財力があったからこそできたのも事実であります。

彼女は、他に出来る人材が居なかったのも彼女自身をこのように追い込んだ大きな要因の一つでないかと思われます。また、彼女は、他の体操界の人達より何倍も能力があったのだと思います。裏を返せば、彼女に代わる人材を育成してこなかったという事でないでしょうか。此れも、日本体操協会、体操界の伝統的な指導者の養成、育成理念が欠落していたのだと思われます。日本の女子体操界のリーダーは、高齢者が多いのも伝統の一つでもあるようです。しかし、これは、体操界、体操協会に限った問題ではありません。

3.体操協会内の権力闘争から復活への光明

筑波大学の衰退は、日本体操界にとっては危機的な状況であり、体操協会の混迷期の始まりでもありました。一人勝した日体大系も大学経営、管理者の思惑が相まって一枚岩ではなくなり、大学に残れた人とそうでない多くのOBOG達の分裂、集合が絶えず繰り返されて来たと思われます。そして、幾度となく繰り返された抗争を経て、協会内部は現在の体制に落ち着いたのだと思います。

その後、協会内部の指導権争いは、表面では平穏を装ながら今日まで一つの方向性に向かって来たので、成果と結果も出て国民、社会からも応援して頂いているのでなかったのかと思います

塚原夫妻には、功罪があるのもこれまた事実です。しかし、当時から今日に至るまで、日体大関係者、OBOG達から塚原夫妻への批判、攻撃、妬みは在っても、協力、協調の精神は、得られなかった事をこの度の事件、不祥事、問題からうかがえ知れるのでないかと思います。これらの度重なる関係者達からの攻撃に対して塚原夫妻は、防御の為、攻撃の手を緩めなかったのかも知れません。これらについては、次回以降に触れさせて頂きます。

体操競技選手の特徴と特性

体操競技の特徴は、皆さんもご存知のように個人競技スポーツで、冬のフィギュアスケートと同様に演技の評価を人間の主観に大きく委ねるという点です。よって、水泳、陸上競技のような評価、判定は、タイムが全てであるのに対して、人間の感情が大きく左右する競技でもあります。器械体操のスキルに於いては、最も危険で怪我のリスクを伴う競技スポーツであります。特に女子には、練習時から競技まで補助者(サポーター)が不可欠である事も特徴の一つです。

体操競技の選手特性については、個人競技スポーツ種目であることから独特の強い個性と精神力の塊であると表現した方が理解されやすいかも知れません。それは、練習を含めた競技環境と伝統的な強化法が個人の性格をも歪めかねない複雑な世界であるためです。

何故ならば、毎日合宿所で寝泊まりし、生活を共にする仲間が即、全日本高校選手権や全日本大学選手権で、あるいは世界選手権、オリンピック大会の代表選考会や本番でトップを競い合うライバル関係にあるからです。言い換えれば、同じ釜の飯を食っている仲間が即明日の敵という事なのです。

読者の皆さんには、想像の域を超えた別世界であると思います。このような特殊な環境で長く育てられ、超強靱な心技体を磨き上げられている選手達に一般社会での常識など通じる訳がないことを少し理解頂ければ体操界で起きる現象、現実が体操界の常識に由来する事をお気付きになるかも知れません。言葉は不適切かも知れませんが、根性も捻じ曲がると表現した方が現実的かも知れません。

筆者からの願い

体操協会、体操関係者の皆様へ、

2020年東京五輪では、「体操ニッポン」復活が現実になろうとしています。これまで皆様の涙と怒りと努力で此処まで凌いで来られたのです。どうかその先人の貴重な遺産を無駄にされる事無く、今一度仲良く、協力し合って「次世代に体操ニッポン」を継承する為にも、手を取り合って歩むことを心より祈念しています。体操関係者の皆さんが、協力、調和をして事に向かえばきっと最高の「着地」が出来ると確信しています

4.法的根拠の無い第三者委員会なるは談合文化の象徴

第三者委員会は、選考選定が何処の誰により行われるのか、第三者委員の実名、所属を公開する事が望ましいと思われますまた、弁護士関係者だけでの委員会でなく、大陪審のような本競技スポーツに見識ある弁護士以外の委員も加える事の必要性を申し添えます。双方に対して、十分な調査をされた公平で平等な第三者委員であり、結論である事を願います。

この度の一件が、後に禍根を残さないよう関係者のポジテイブな言動、行動を切に祈ります。

時事の出来事:

1.体操協会は、第三者委員会を設置する事を告知。2週間で結論を出すとの見解。

2.塚原光男氏のNHKの取材に対する謝罪。

3.メデイアマスコミ報道による、宮川選手が善で塚原夫妻は悪の構図が進行。

4.体操協会執行部及び常務理事会は、職責と責務を一貫する事が大事。

5.95日:速見コーチが謝罪会見

6.第三者委員会の委員長に、元日弁連副会長の岩井重一(いわい・しげかず)弁護士 が決まったと発表した。

 文責:河田弘道

スポーツ・アドミニストレイター

スポーツ特使(Emissary of the SPORTS

紹介:G-file「長嶋茂雄と黒衣の参謀」文藝春秋社発行 著者 武田頼政

   Kファイル、KファイルNews Comment by Hiromichi Kawada

お知らせ:NO.65は、体操協会、体操界の派閥、権力闘争の沿革を中心に、体操選手の特徴、特性を合わせてご紹介させて頂きました。

次回NO.66は、この度の問題の本論に入らせて頂きます。つきましては、事態も急激な変化を伴っておりますので、筆者も読者の皆さんにスポーツ・アドミニストレイターとしての視点と問題点を率直にお伝えする為に、次回K'sファイルNO.66は、筆者の準備が整い次第に掲載させて頂きます。ご笑読頂ければ幸いです。

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