Kファイル・スポーツドクトリンNO.316:世界陸上が再び東京の地に
Kファイル・スポーツドクトリンNO.316:世界陸上が再び東京の地に
2025年9月11日 木曜日 公開
無断転載禁止
河田弘道
スポーツ・アドミニストレイタ-
スポーツ・アドミニストレイションの基軸は“Justice正義&Fairness公
日本にスポーツ・アドミニストレイション論の必要性を紹介
日米で実践してきたスポーツ・アドミニストレイターの先駆者
(プロフィールは別途ご検索下さい)
著者からのご挨拶
酷暑お見舞い申し上げます。
Kファイル読者の皆様は、この猛暑、酷暑の中いかがお過ごしでしょうか。この異常な暑さは、毎年地球上の生き物に苦難と苦痛を与えています。スポーツ界に於きましては、この炎天下の下で全国高校野球が開催され、陸上競技、サッカー、等と屋外での競技スポーツが一年中行われている実態は今も昔も変わりません。競技スポーツの発展と改善をわが国に期待するのが難しいのでしょうか。伝統という名に縛り大人の思い込みと勝手な利権を最優先するようなスポーツ・アドミニストレイションは、決して美徳とは言い難いと思われます。
中央の省庁の指導、管理者達の職務、職責を疑わざるを得なくなったのは、著者だけでしょうか。専門家と称する大学教員達は、体育学会と称する寄り合いで学問と称する机上の空論を述べて自己満足しているのが現実です。
学識経験者と称する方々は、涼しいところで冷たいものを頂きながら何を語らい、何を討議しているのか全てを公開でやって頂きたいと思わざるを得ないのは、私だけなのでしょうか。
この暑さは、尋常ではありません。何故日本の体育指導者、スポーツ指導者、競技スポーツ指導者、その運営、管理者達は、子供に1年中同じ競技スポーツを炎天下の下強いるのでしょうか。このような指導、運営、管理方法を取る限り、他のスポーツ、競技に素晴らしい才能を持っていても、子供達は発揮する機会は与えられず、1年中同じ競技スポーツに所属して消去法指導により潰されて行っていることに子供も父母も何故気付かないのでしょうか。
ただ単に関係者達に知識がないだけなのか。これだけ天災、震災の被害、災害が拡大する中、子供たちの競技スポーツだけでもその競技の適正と環境にあった季節に行う、シーズン制を選択することをお勧めします。読者の皆さんは、そう思われませんか。
そのようなシステムは、どこかよその国の制度とシステムとして思考しているようでは、未来の子供達のスポーツへの発展は無いに等しいのです。
本年は、5月から既に夏日が訪れました。そして、通常の梅雨は6月下旬に終わるところ長い空梅雨が7月半ばまで続いた日本全国でした。その後、気温湿度は、どんどんととどまる事を知らず右肩上がりとなり、今日9月のこの時期に於きましても猛暑、酷暑と40度を超える砂漠地同様な灼熱の太陽が降り注ぎ、其れにもまして多湿な状況が我が日本国を襲っています。
この過酷な自然の摂理の中を読者の皆々様は、どのようにしてお過ごしでしょうか。著者の記憶が確かならこの現象は、既に35年前から肌で感じていました。如何に人類の英知を結集し科学の進歩を期待すれども、この自然の摂理には、対処しがたい魔物が潜んでいるとしか思えません。皆様は、このような現実からどのような近未来を予知され、国民社会をこの苦難から改善、改革すべきかを考えることが肝要と思います。
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目次
著者からのご挨拶
お知らせ
Ⅰ.トランプ米国大統領の女子競技スポーツ選手擁護発言
序文
Ⅱ.人類は男と女の存在を認めるがその中間は認めない(米大統領発言)
■IOCの指針は八方美人か
Ⅲ.世界陸連(WA)見解
①WAの決定事項(テストステロン値による判断)
②WAの変更事項(テストステロンから遺伝子検査に変更)
■セバスチャン・コーWA会長の見解
Ⅳ.著者の見解
■セバスチャン・コーWA会長の見解
Ⅴ.まとめ
■著者からの補足
■二つの問題は区別されるべき
■女性スポーツ競技者と認められない人達
お知らせ
この度のKファイルNO.316は、世界陸上選手権大会が二度目の日本国、東京に上陸し9月13日から新東京国立競技場に於いて開催されようとしています。著者は、特に本大会に於いて女子競技者への過去のアンフェアーな出場規定から多くの真摯な女子選手と指導者達に多大な迷惑(平等、公正でない)を長年強いて来た過去に対して、一つのピリオドを示した大会となることに期待いたしております。しかし、IOCは、WA(世界陸上競技連盟)の決断に対して、オリンピック大会での本件を明確に承認したわけでないことを著者は大変疑問に思う次第です。
本件は、決して陸上競技に関わる女性アスリートに特化した問題でなく、球技を含めた全女子競技スポーツに参加する選手達の共通の問題なのです。
ここにおいて、本大会を開催するに当たり日本陸上競技連盟(JAAF)及び日本オリンピック委員会(JOC)は、いまだ本件の見解を公表したわけではありません。国内の両団体の最高責任者は、先日女性の有森裕子さん(日本陸連会長)、橋本聖子さん(JOC会長)と女性が就任されたのも何か過去の彼女らの言動とその行為から複雑な思いがよぎるのも自然な成り行きなのかもしれません。歯切れの悪い著者の表現の意味は、本Kファイルをご笑読頂きますと気付かれるかもしれません。日本国内の女子アスリートに遺伝子検査を強いる前に管理者には、自ら本検査を自主的に受けて公表することでフェアーで開かれた検査であることを証明する一つとして欲しいと願うのは著者だけでしょうか。
Ⅰ.トランプ米国大統領の女子競技スポーツ選手擁護発言
序文
1991年夏に世界陸上東京大会が国立競技場で開催されて既に34年の年月が過ぎました。そして前回は、第18回世界陸上競技選手権大会は2022年7月15日から24日迄米国オレゴン州ユージーン市にあるオレゴン大学キャンパスにて開催されました。この事は、既に同年のKファイルにて特集致しましたので読者の皆様の中にも記憶に新しいかと思われます。
2022年7月 第18回世界陸上オレゴン大会会場
米国、オレゴン州、ユージーン市 オレゴン大学キャンパス陸上競技専用スタジアム(ヘイワードフィールド、30000席)、現ナイキ社発祥の地 創設者ビル・バウアマン氏(元オレゴン大陸上部監督、USオリンピック監督、Nike創設者)
これは、米国にて初めて世界陸上がホストされた歴史的な大会であった事は言うまでもありませんでした。それ以上に世界を驚かせたのは、公立の大学キャンパスの陸上競技専用競技場(ヘイワードフィールド)、大学のキャンパスの施設を利用しホストされた前代未聞の世界陸上選手権大会であったことでした。
小職は、1991年の東京大会に於いて当時国際映像のキー局であった日本テレビと契約を結び、1987年の世界陸上ローマ大会から準備をスタートした次第でした。そして、そのローマの滞在先ホテル(日本テレビのスタッフ宿舎)で、ローマ大会のゲストで招かれていた長嶋茂雄氏と初めて出会うことになったのでした。それが後の東京読売巨人軍を率いて一心同体であの「94メイクミラクル」「96メイクドラマ」を完結する運命にあったことは、神のみぞ知る「出会いとご縁」であったことをここに紹介させて頂きます。
小生の業務は、91世界陸上東京大会に於いて世界のトップアスリート達を如何にして日本テレビの映像を通して世界に配信するか、最大限生かせるかが業務の最大の趣旨、目的であったので、そのアスリート達の個々の事情を調査することから仕事が始まったのでした。その全ての調査記録は、Gファイル同様に91世界陸上東京大会の業務記録としてファイルして保管されています。
当時著者は、業務上連日連夜トラック競技の予選から決勝までゴールで各選手達(女子選手達を含めて)の状態を確認していた関係から、女子選手達のトップクラスの選手達には、客観的な身体的異常を観察しながら、女子選手達が男性化した実態を非常に危惧していたのも事実でした。(著者が客観的に観察した実態:女子トラック選手の決勝に残りゴールを通過した選手達の多数の下腹部のユニフォームから通常では考えられない量の陰毛がはみ出していた事でした。これは、まさに男性ホルモンの過剰による証であると(スポーツ生理学の視点)思われます。その後若くして心臓疾患で亡くなられたと聴き非常に残念でした。
著者がこの度の25世界陸上東京大会に於いて静観しています視点は、女子の競技選手と認められない選手は、各国の予選会から出場が禁止されたことです。この新規定の通達がどれほどWA(世界陸連)、各国陸連により厳重な管理の下で行われているか否かの初めての大会であるという事です。果たしてWAの最終結論は、本大会で順守されているのか、この大会から2028年のロス五輪に於いて、米国大統領令に違反した選手たちが、米国入国拒否が大統領令により通達されないことを願う次第です。
(トランプ大統領の発言から)
大統領令に署名
トランプ大統領は、2025年2月6日の大統領会見に於いて“トランスジェンダー選手の女子競技参加を認めず”と断言したのでした。(米国マスメディアによるレポートから引用)
●トランスゼンダーとは、、、、、「トランスジェンダーとは、身体の性別と、自分自身が認識している心の性別・性自認が一致しない人のことを指します。 英語表記は「Transgender」で、LGBTQの「T」に当たるのがトランスジェンダーです。(トランスゼンダーの定義より 2025年4月現在)」
アメリカのトランプ大統領は、トランスジェンダーの選手が女子競技スポーツに参加することを禁じる大統領令に署名し、2028年に開催されるロサンゼルスオリンピックに向けてIOC(国際オリンピック委員会)にトランスジェンダーの選手の参加を認めないよう求める考えを示しました。
米国大統領は2月5日、ホワイトハウスに女性のアスリートらを集めて大統領令の署名式を行いました
大統領令では、米国のトランスジェンダーの選手が女子スポーツに参加することを禁止し、従わなかった学校や団体などには連邦政府の支援を打ち切るとしています。また、2028年に開催されるロサンゼルスオリンピックを念頭に、女子の大会に参加しようとするトランスジェンダーの選手のアメリカへの入国を拒否するよう制度を見直すほか、IOCにトランスジェンダーの選手の参加を認めないよう求めるとしています。
●大統領令署名式でトランプ大統領は、「ロサンゼルスオリンピックで私の政権は男性が女性選手を打ち負かすのを黙って傍観することはない」と述べました。
トランスジェンダーの選手の女子スポーツへの参加をめぐっては、競技の公平性をどう保つのかが大きな議論となっていますが、マスメディアの最大手の一つのニューヨーク・タイムズなどが先月行った世論調査では、79%の人が「認められるべきではない」と回答しています。(ニューヨークタイムズ紙の記事を引用)
これに対してIOCは、「各国際競技団体と協力し、関連当局とさまざまなトピックについて説明と議論を続けていく」として、米国大統領への対応を避けたコメントを出しました。
さあ今後、IOCは、カースティ・コベントリー新会長(女性、41歳、ジンバブエ出身、水泳競技者、女性初)を選出されましたが、前会長のT・バッハ会長の擁護の下で選出されましたので、前会長の「ギナペット=模造品、言いなりの道具」と揶揄されている関係から、利害利権の圧力に屈することなく、「JusticeとFairness」を発揮して、どのような結論を2028年開催のロス大会までに結論をだせるのか、非常に疑問視されているのも事実です。
はたまた、トランプ大統領は、大統領令に反した各国の女子競技選手達に対する厳格な識別を行い、違反者に対して入国査証を拒否する対応を取るのか、興味は膨らむばかりです。
■IOCの指針は八方美人か
IOCの今日までの指針では、トランスジェンダーの選手や、「テストステロン」の値が高い女子選手の国際大会への参加資格について、差別がないこと、公平であること、証拠に基づいたアプローチであることなど、10の項目についてそれぞれ基本的な考え方がまとめられていて、「参加資格は、選手が性のアイデンティティーや物理的な性の多様性によって構造的に大会から排除されることがないように公平性を持って作られなければならない」などとしています。
著者は、このような指針は何の意味もこれによる成果、効果は期待もできない、本課題の本質的な問題を棚上げにしておきたいがためのお題目にすぎないと評します。
Ⅲ.世界陸連(WA)の見解
世界陸連は、 男性の思春期を経たトランスジェンダー選手は女子競技から除外と発表「女性アスリートのための公平性を維持」する事が先決であるとの見解を過去に既に公表しています。
3月23日、世界陸連(WA)評議会が行われ、トランスジェンダー・DSD(性の発達が先天的に非定型的である状態)選手に関する規則の変更が決定されました。
トランスジェンダー・DSDに関する規則について、下記のように発表された。
① DSD選手については、最低24ヶ月間、テストステロン値を2.5nmol/Lの制限値以下にすることが求められる。全種目についてこれが適用される。
② 400m~1マイルの種目については、これまでも最低6ヵ月間のテストステロン値抑制(5nmol/L以下)が求められていたが、24ヵ月間への変更、またテストステロン値も厳格化となる。
③ これまで400m~1マイル以外の種目に出場してきたDSD該当選手については、暫定的な規定が導入される予定となっており、最低6ヵ月間のテストステロン値を2.5nmol/L以下に抑制することが求められる。
④ トランスジェンダー選手については、男性の思春期を経て男性から女性となったトランスジェンダー選手を、女子競技(世界ランキングの対象種目)から除外することが合意された。
※上記の規定は、2023年3月31日から施行される。
■世界陸連会長のコメント
世界陸連のセバスチャン・コー会長は、「私たちは、他のすべての考慮事項よりも、女性アスリートのための公平性を維持しなければならないという見解を持ち続けています。私たちは、今後数年間で必然的に発展していくであろう、身体的パフォーマンスと男性の優位性に関する科学に導かれて、この決定を下します。より多くの証拠が入手可能になれば、「私たちの立場を見直しますが、陸上競技における女性のカテゴリーの完全性が最も重要であると信じています」とコメントしている。
コー会長は英タイムズ(Times)紙に対して、不安をはらんだ問題だとの認識を示し、正しく規則を定めることが不可欠だと話した。
「この件については正しくやらないと、女子競技スポーツの健全性、さらには未来が非常に危うい」「繊細かつ社会的な話題で、スポーツの枠を大きく超えている」その上で、現役時代には英国代表として陸上中距離の五輪金メダルを獲得しているコー会長は、トランスジェンダー選手の女子大会への出場を認めるかの判断に関しては、「ジェンダーが生物学に優先されてはならない」と話した。
世界陸連のルールでは、トランスジェンダー女子選手は少なくとも大会の12か月前に、テストステロン値を規定のレベルまで下げることが求められている、と述べたのです。
参考資料、
●テストステロンとは、、、
テストステロン(Testosterone)は、アンドロゲンに属するステロイドホルモンで、男性における主要な性ホルモンであり、蛋白同化ステロイドでもある。男性において、テストステロンは、精巣や前立腺などの男性生殖組織の発達に重要な役割を果たすと共に、筋肉や骨量の増加、体毛の成長などの二次性徴を促進する。さらに、男女共にテストステロンは、気分や行動などの健康や幸福、骨粗鬆症の予防にも関与している。男性のテストステロンが不足すると、虚弱体質や骨量減少などの異常が生じる可能性がある。
以上、世界陸連(WA)のセバスチャン・コー会長の主な本件に関わる見解を世界のマスメディアに発信した過去の例をご紹介しました。
Ⅳ.著者の見解
① WAの決定事項(テストステロン値による判定)
2025年2月6日のD・トランプ米国大統領令に署名した数日後に国際陸上競技連盟(WA)の会長は、他の競技スポーツ団体に先駆けて本件に関する見解を公表されたのは非常に印象的であったと著者は、共感致した次第です。
その見解は、WAが今日まで議論し本件の結論に到達していた「テストステロン値の規定」を明快且つ正確にして男性化した女性の女子競技スポーツへの参加を制限する事が「女子選手の競技を公平、平等」である事の基準として実行する事を勇気を持たれ、国際陸上競技連盟の最高責任者(IOCの委員)セバスチャン・コー氏は、明確に宣言したのでした。これは、まさに米国大統領令に署名したトランプ氏に肩を押されたと著者は、確信した次第です。
② WAの変更事項(テストステロンから遺伝子検査に変更)
世界陸連(WA)は、2025年7月30日、女子競技の公平性を守るため、世界選手権など世界ランキングの対象となる大会で女子部門に出場する選手に対し、1回限りの遺伝子検査を義務付けると発表した。
WAは、男子として思春期を過ごしたトランスジェンダー選手による女子種目への出場を禁止し、男性ホルモンのテストステロン値が高くなる性分化疾患(DSD)と診断された選手には男性ホルモンのテストステロン値を下げるよう求めてきた。だが、WAの作業部会は今年2月、こうした規制では不十分との結論に達していた。
●生物学的な性別を特定するSRY遺伝子の検査は一生に一回のみ行われ、頬の細胞採取または血液検査により行われる。当該大会の出場にはこの検査に合格することが必要となる。
■セバスチャン・コーWA会長の見解
WAのセバスチャン・コー会長は声明で「今後、多くの女性が継続して競技に加わるには、生物学的な障壁はないと女性たちが信じて競技を行えるようにすることが非常に重要。生物学上の性別を確認する検査は、この点を担保するために非常に重要なステップだ」と話した。By ロイター編集2025年7月31日午前 11:13(日本国内では、共同通信社が配信)引用
Ⅴ.まとめ
著者は、本機会に視聴者、読者の皆様が誤解なきよう本件に付きまして補足させて頂きたく以下に述べさせていただきます。
それらは、2025年2月6日の米国大統領により署名された大統領令は、ゼンダー問題に於ける定義を大統領自らが見解を述べられたと理解します。その主な要旨は、「人類には男子と女子しか居なくその中間は認められていない」とする性別の定義を明確にされたと理解するものです。これは、米国の歴代の大統領で初めての見解でした。
この見解に伴い大統領は、近年の女子競技スポーツに特化した問題をこのゼンダー問題を2028年開催予定の米国ロサンゼルス五輪大会を引き合いに出し、男性化した女性競技者の出場を認めない見解を述べたと理解しています。
この大統領令に肩を叩かれたかのように国際陸上競技連盟(WA)の会長のセバスチャン・コー氏が自信を持って大統領令に反応したとすると理解しやすいのです。
■著者の補足
ここで読者の皆様に混乱と誤解をして欲しくないために補足をさせて頂きます。それは、女子競技に男性化した競技者が参加して、本来の女子競技者を打ち負かせて勝者となる事は、フェアネス(Fairness,公正、公平)の観点から許される問題ではありません。
それは、競技スポーツの定義から「同じ環境の下で、公平、公正等を原理原則として、その競技スポーツの勝者、順位を決める」ことが競技スポーツの大前提であるからです。この視点で申し上げると著者は、大統領令とWA会長の決断に強く賛同します。なぜならば、競技大会は、あくまで誰が1位で誰が2位なのかを決めることに意義があり、ルールが必要だからです。
もう一つの類似する問題には、薬物使用による女性の男性化を導き、女子競技スポーツ界で勝利を得るという卑劣な手段と方法が現在も行われている現実がある事です。
女性本来の身体を薬物を投入して男性化することは、筋肉を増強し骨格を強度にすることで男性競技者に近づく効力があるからです。このドーピング問題は、競技スポーツが始まって以来今日迄、止むことなく薬物の生産、摂取と競技での罰則は、鼬ごっこであると言って過言でありません。その大きな要因の一つは、製薬会社の高度な薬物の開発競争によりアスリートは、その製薬会社のモルモットであり、製薬会社はその薬物反応を消す薬を同時に開発をしている事も事実であります。それにより、競技大会で勝利した選手達がドーピング検査を潜り抜けて大きな金銭を手にしているのも事実のようです。
■二つの問題は区別されるべき
このように女性が薬物を使用して男性化なり女性の競技大会に参加するケイスと、男性が女性化(トランスゼンダー)して女性競技大会に参画して上位の成績を獲得することの二つのケイスがあることを読者の皆様には、理解して頂きたいのです。
この度の米国大統領が述べているのは、この二つの中の後者(トランスゼンダー)を指し、前者の薬物使用による女性の男性化とは、分離して語る必要性を著者は述べさせていただきます。
■女性スポーツ競技者と認められない人達
これらの人達は、各競技スポーツに於いて組織・団体を設立し競技大会を設置する方向が望ましいと思われます。その成功例は、パラリンピック大会であります。人権擁護団体は、本件に付いて声を大にして世に問われるでしょう。そして、これらの選手達を是非擁護してあげて欲しいです。本人が望むならば、この選手たちは、男子競技に参加されることには何の問題も無い事を付け加えさせて頂きます。
以上を持って女子競技スポーツ、特に陸上競技に於ける近年の最大の問題の二つの特徴とその傾向について述べさせていただきました。しかし、これらは、陸上競技スポーツだけに特化した問題ではなく、女子競技スポーツの全競技と選手たちの「公正と公平」の根幹を揺るがしている問題である事を読者の皆様にご理解して頂く事を目的で紹介いたしました。
他の競技スポーツ(球技を含む)のトップ女子競技者に対しても類似した問題が多数見受けられることに、関係者は厳しい目を向け、勇気を持って告発することにより改善、改革が前進することを肝に銘じて頂きたいのです。
19回世界陸上東京大会がこれらの問題に対する対処が厳格にできるのかどうか著者は、強く期待している次第です。遺伝子検査は、既に進行している発表がWAから報告されているのも事実です。
文責 河田弘道
スポーツ・アドミニストレイター
スポーツ特使(Emissary of the Sports)
紹介:G-File「長嶋茂雄と黒衣の参謀」発行 文藝春秋社 著 武田頼政
本著は、2006年10月13日発売、翌年完売の為現在はAmazonで中古オークションで入手可能。河田弘道の西武・国土計画、東京読売巨人軍での激闘の日々のドキュメントです。登場人物は、全て実名です。
Kファイル、KファイルNews Comment by Hiromichi Kawada
お知らせ:
本KファイルNO.316は、米国大統領による異例の声明及び大統領令迄発せられた、女子競技スポーツ選手への不公平な問題(男性、男性化した競技者)が女子競技大会に出場し、本来の女子競技スポーツを歪めている昨今に対する世紀の決断をされた事を契機にその実態と経過を説明し、著者の見解を述べさせていただきました。まもなく25世界陸上が新東京国立競技場で9月13日から開催されますに当たり、読者の皆様は、この問題を念頭に置かれてテレビ観戦して頂ければ幸いです。
読者の皆様には、連日連夜の猛暑、酷暑、多湿にはくれぐれもご注意されてお過ごしください。短い秋の訪れを祈念いたしております。
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