Kファイル/スポーツドクトリンNO.319:米国のファームと化すのか日本の競技スポーツ界
Kファイル/スポーツドクトリンNO.319:米国のファームと化すのか日本の競技スポーツ界
無断転載厳禁 2025年12月25日 木曜日 本年度最終原稿
オレゴン大学フットボール会見場での著者
この後ろの壁の向こう側は、選手達の充実したロッカールーム、コーチングスタッフ達のロッカールームとゲイム前のミーティングルーム。
会見場の記者席には、一工夫されている。スポーツ文化の違いか。
久しぶりに現場に戻った実感が私の過去を蘇らせてくれました。国立競技場、東京ドームを遥かに凌ぐコンセプトの環境が大学キャンパスに立ち並ぶ。
此処はプロ競技スポーツ組織・団体の施設以上な環境と実績を有する体育、スポーツ、競技スポーツの米国の殿堂となりました。
河田弘道
スポーツ・アドミニストレイタ-
スポーツ・アドミニストレイションの基軸は“Justice正義&Fairness
日本にスポーツ・アドミニストレイション論の必要性を紹介
日米で実践してきたスポーツ・アドミニストレイターの先駆者
(プロフィールは別途ご検索下さい)
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著者からのご挨拶
本年も残すところごくわずかとなりました。Kファイルの読者の皆様に取りまして2025年は、如何でしたでしょうか。政界では、相も変わらず宗教団体との癒着、裏金問題と政治家達の了見の貧困さは相も変わらず。競技スポーツ界に於きましては、競技生活後の芸能タレント化が進む中、それに群がるマネージメント会社とマネージャーと称する方々のその振る舞いも又しかりです。
野球界では、光り輝く太陽でした長嶋茂雄氏が去り戦後の一時代が終了したけじめの年となりました。
海の向こうでは、MLBに於いて大谷翔平選手の台頭により日本の暗い競技スポーツ界を燦燦と世界に輝きを放たれている事は今後長嶋茂雄氏以上なグローバルな世界での価値評価並びに日本人の誇りと化して参る事でしょう。それも同選手が今後どのようなアスリートの道を究め、人としての人格をより高く向上されるかの期待が込められています。
来る2026年は、日本の危機が足元に及んでいます事を真摯に受け止めて、真剣に国民一人一人が熟考されて、隠蔽、湾曲による誤った情報を鵜吞みにせず、自らの行動力をして判断の基準として下さることを祈念しています。
本年は、Kファイルを愛読して頂き心よりお礼申し上げます。平和で明るい年末年始でありますことを心より祈念いたします。 深謝
河田弘道 著者
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――読者からのお便り紹介
河田様
お疲れ様です。
オレゴン大学フットボールのカンファレンスルームを含む画像も拝見しました。日米の差が歴然とした様子が窺えます。やはり日本の競技スポーツは昭和から進展していません。
米国を見倣うなら大学競技スポーツも纏まらなくてはなりません。政治家諸氏の「利権」に使われていては発展も望めません。確か数年前でしたか、唐突に当時のスポーツ庁、大学スポーツ関係者、政治家達が「米国NCAAの日本版」とか称してシンポジューム、一部野心家達による会合が文科省、スポーツ庁の経費で活動されていました。あの当時の関係者には、王手マスメディア関係者も神輿を担いでいましたが、一体現在これら関係者は、何処に消え失せたのでしょうか。出来たのは、唯の紙くず同様な「日本大学スポーツ協会」とは、関係した人たちの能力とレベルが日本のスポーツ・アドミニストレイションのレベルだと証明したように思います。
大学の競技スポーツで「米国」の様な集客は「東京六大学野球」でもあり得ないことです。明治神宮野球場も「大学の所有物」ではありません。大学、リーグ、大学スポーツ協会も全く名前のみで昔ながらの素人集団に変わりはありません。米国のように「システム化」していないために、全てを形骸化して一部の大学関係者達の利権集団で「やりたい放題」なのが現状の日本ではないでしょうか。
これはプロの世界にも通ずると思います。表面的なところだけを真似しても「本質」は全く変わりません。やはり、河田さんのような方が必要なのです。
河田さんをお招きされると個々の関係者達は、利権にありつけないので河田さんを遠ざけているように思えてなりません。能力も度胸も無い哀れな関係者に思えるは、小生だけでしょうか。スポーツを食い物にしている政治家達も同様のようです。
愛読者より(現役プロ球団指導者)
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目次
著者からの御挨拶
読者からのお便り紹介
Kファイルご愛読者の皆様へ
1.2025年度を終えるに当たり
2.本年度のスポーツ界から
3.米国大学の競技スポーツの特徴として
4.日本の競技スポーツと大きく異なる点
まとめ
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2025年12月25日 木曜日 公開
Kファイル/スポーツドクトリンNO.319:米国のファームと化すのか日本の競技スポーツ界
1.2025年度を終えるに当たり
KファイルNO.319の掲載は、本日12月25日木曜日、クリスマスデイとなりました。本年は、1月16日木曜日にKファイルNO.308:荒れ狂う世界情勢の中のスポーツ界 その1.を公開して以来本日で319回を迎えました。これもひとえにKファイル読者の皆様の温かいご支援とご愛読の賜物であります。
Kファイルは、著者の長年にわたる日米での実践体験を元にスポーツ界の時事の話題を中心とした教育界、体育、スポーツ、競技スポーツと、それらに関わる政治、社会問題を加味しながら著者のコンセプトに沿った解説と説明をさせて頂いております。
読者の皆々様に於かれましては、個々それぞれの御見識でお読みいただけましたなら幸いです。
2.本年度のスポーツ界から
本年は、国内外の情勢が昨年に増して一層不安定さを増している様子が否めません。読者の皆様には、どのようにお感じになられましたでしょうか。
日本のスポーツ界に於いては、やはり一年中NHKのMLB(メジャーリーグベイスボール)のライブ中継を通して視聴者の皆様は多大な影響を受けている様子が伺われます。
その中継の中心は、ドジャーズ球団の大谷翔平選手を観たさに早朝からTVの前で画面を食い入るように見つめている姿を想像するにつけ、日本人の野球好きを認めざるを得なくなります。それほど超人的な大谷選手のパフォーマンスと野球界では珍しい倫理観の持ち主であり、TPOを弁えられたあの対応力に引き寄せられている証でもあります。
日本国内の野球界に於きましては、このメジャーリーグ熱が高校球児に伝染して、日本プロ野球界、大学球界を飛び越して米国に渡る事態に相成った年でもあります。
これはまた、米国では、NCAA(全米大学競技スポーツ協会)の伝統的なルールが大きく緩和されたことにより日本の競技スポーツ学生、生徒選手達の受け入れがしやすくなったことも挙げられます。
それ以外には、プロ野球球団所属の選手達が日米(NPB、MLB)で本来交わされている紳士協定(ルール)がなし崩し的に崩壊してしまった事が大きな要因であると言わざるを得ません。読者の皆様は、マスメディアの報道によりFA、ポスティング制度、ドラフト制度、等々の表現を見聞きして参られたと思われます。しかし、これらの用語は、今日では死語に等しい実態と状態になっている事にお気づきになられていますか。
これらの用語は、丁度日本政府が「我が国は主権国家である」と国民と社会に嘯くのと同様にプロ野球界に於いても、NPB(日本プロ野球機構)とMLB(メジャーリーグ機構)の間で交わされている種々の協約、規約は、MLBの力によりルールがあって、ルールが既に形骸化してしまっていると申し上げて過言でありません。
その実例では、フリーエイゼント制度(FA)、ポスティング制度(PS)、等と確立して参った個々の制度(システム)が、形骸化なった事にあります。
その要因は、MLBの球団経営者達が中南米の(メキシコ、キューバ、プエルトリコ、ドミニカ、コスタリカ、ペルー、等々)選手達の獲得に加えて、日本人選手の獲得に大きく傾いた事です。
その最大の要因は、大谷翔平選手の超人的な投打に渡る活躍である事は言うまでもありません。
佐々木朗希投手(当時ロッテ球団所属)の不透明なドジャーズ球団へのポスティング移籍は、昨年から本年春迄に起きた日米間の矛盾した規約・協約は言うまでもなく、MLBの外国人選手に対する取扱いに「抜け穴」があったことが露呈した事です。これらMLBは、強力な選手会と30球団の経営者(オーナー)間の利害、利権の駆け引きの副産物として派生した事が佐々木朗希選手の移籍問題で露呈した次第であります。
このように今後は、日本の野球選手の獲得を巡るあらゆる策が張り巡らされて、現在は日本の高校選手の青田買いが急激に進み始めている次第です。これには、米国の大学も加わり競争が一段と激しさを増している次第です。これにより日本のプロ野球球団は、米国のMLB所属球団と米国大学のファーム化が一段と進行して行くことを止められないのが現実です。今や米国の大学競技スポーツは、プロへのマーケット(展示場)でありMLBへの踏み台と考えると理解しやすいかと思われます。これにより日本の大学競技スポーツ及び学生選手のトップ選手達が空洞化なり、今後一層注目が失せる可能性が進行するように思えてなりません。これも日本の大学競技スポーツに関わる大学関係者、文科省、スポーツ庁のスポーツ・アドミニストレイターの養成能力のレベルが非常に皆無に近い状態であることを物語る次第であります。
高校生、大学生で米国大学の一流競技スポーツ界で腕試しをすることに自信のある投手、打者が居ますれば、この著者(河田)にコンタクトし、その実力を拝見させてください。あなたの能力が著者のお眼鏡にかなえば、推薦させて頂きます。そして、あなたの夢に近づいて下さい。
3.米国大学の競技スポーツの特徴として
米国の大学では、NCAA(全米大学競技スポーツ協会)のルール改正により、各競技者の実力により奨学金以外に学生選手はスポンサーと契約が可能となり、大学からは此処の実力に応じた高額な奨学金に加えて出場料を手にできるようになったことでしょう。また、学生選手達は、各大学の転校が伝統的なルールの縛りにより拘束が厳しかった時代は終焉して、移籍、転校が毎年行われる、いわばプロより激しい移籍獲得が行われるようになったことで、学生選手達は既にプロ化したと申し上げて過言でありません。
これらの商品価値の高い競技種目の実力ある選手達は、このNCAAのルールの改正により、大学のメジャー競技スポーツのフットボール、バスケットボール、ベイスボールで勝利する大学は雪だるま式に財政が豊かになり、そうでない大学は貧困と化す、いわば弱肉強食の競技スポーツ界と相成っている次第であります。
これら三大競技スポーツ以外は、マイナースポーツとしてメジャースポーツの財政の恩恵に預かっていると申しても過言でありません。これは、今も昔も大なり小なり同様な構造と実態であります。
4.日本の競技スポーツと大きく異なる点
フットボール、バスケットボール、ベイスボールのメジャースポーツのプロ球団に入団する為にはファンダメンタルなルールがNCAA(全米大学競技スポーツ協会)とプロ競技組織・団体との間で協定が結ばれている事です。
これは、プロフットボールの球団に参加する為にはドラフト(選考会議)を経なければならない事です。
ドラフトを受けられる高校生には、強い制限が設けられている事です。
プロフットボール球団への希望選手は、高校卒業後2年間はドラフト対象選手として認められないのです。その理由は、激しいコンタクト競技スポーツであるがゆえに、スポーツ医科学的な知見により「身体の成長を妨げない」事が根拠にあるからです。
プロバスケットボール球団への希望選手は、高校卒業後1年間はドラフト対象選手として認められません。
プロベイスボール球団への希望選手は、高校卒業後自由にドラフト対象選手として認められています。その根拠は、MLB球団には、ファームが整い、その選手の身体に応じたレベルのファームティーム(1A,2A,3A)で育成できる環境が整っている事がその理由です。
このような競技スポーツのプロと高校との協定により、今日の大学が最大の恩恵を受けている所以がここにあるのです。フットボール、バスケットボールの高校選手達は、大学進学をして競技スポーツ部に所属せざるを得ない環境がそこにあるからです。今日の米国大学競技スポーツの繁栄は、このような競技団体の申し合わせ、協定がもたらした「共存共栄」の原理原則が実践でいかされている証であります。
まとめ
本KファイルNO.319は、わが国日本の競技スポーツ界の未来に今後何が必要で何が起きるであろうことのヒントと資料を提供させて頂きました。
日本の競技スポーツに関係する全ての皆様に申し上げます。
我々は、グローバルな世界に佇んでいます。世界の情報は、あなただけのものではありません。あなたの子供達、孫達の時代の繁栄の為にも、皆さまは、大きなそして豊かな心を持って共存共栄して参ろうではありませんか。己だけの利害、利権の為にこの本来美しい自慢できる日本国を滅ぼしてはなりません。
それは、Kファイルの読者の皆様方の一人一人の心に委ねられています。
現在、日本国は危機の環境の中で迫りくる外敵にさらされている事をお忘れなく、真剣に未来への思考と行動力を養って頂きたいと心より願っています。
来る2026年が希望のある年でありますことを期待して、KファイルNO.319を閉じさせていただきます。
文責:河田弘道
スポーツ・アドミニストレイター
スポーツ特使(Emissary of the Sports)
紹介:G-File「長嶋茂雄と黒衣の参謀」発行 文藝春秋社 著 武田頼政
本著は、2006年10月13日発売、翌年完売の為現在はAmazonで中古オークションで入手可能。河田弘道の西武・国土計画、東京読売巨人軍での激闘の日々のドキュメントです。登場人物は、全て実名です。
Kファイル、KファイルNews Comment by Hiromichi Kawada
お知らせ:
本年は、8月16日以降夏休みを頂きました。それ以来米国で長期過ごすことになりました。夏季休暇の間に趣味のゴルフでエイジシュートを達成するつもりでしたが、その予定を達成する機会も無く山積している雑用に早朝から深夜まで追われていました。これが小生の人生行路なのかも知れません。残念ながらエイジシュートは、引き続き今後の課題とさせて頂きます。ご報告まで。
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